集中治療室での出来事
私の体の左半分、頭から足まで縦にまっすぐ見事な位、麻痺していた。
左半身麻痺だった。
人間の脳はある意味凄い！見事なまでに体の半分が麻痺していた。
左の唇も、左目すらスムーズに開閉してくれない。
集中治療室の出来事は2年5か月たった今
何を考えていたかは今となってはあまり覚えていない。
覚えているのは
広々とした集中治療室で同じ姿勢では体が痛くても寝返り打てない。
仕方ないので電動でベッドを起こしたり倒したりして痛みを和らげたりした。
うっかりスイッチを落としてしまい看護師を呼んでも
なかなか来てくれず中途半端な体制をづっととり続けていた
高校時代からの大親友や弟が見舞いに来てくれた。
オムツをしているが尿は溜まっていて排尿したくても出ない。かなりのストレスだ
痛風の足が痛い。倒れる前まで何ともなかったのに発作が出ている！
痛風からくるのか発熱があった。冷やしてくれた。
医者に痛みを伝えた。
ただただ夢中で3日間は過ぎた。2日間次の段階の部屋にいた
脳外の一般病棟のこと
5日目に脳外科の一般病棟に移った。
6人部屋でそこは賑やかだった。精神まで壊れかかっている人たちがいて
夜中も賑やかだった。
ベッドの柵をリモコンでコンコン叩く人 怒り声をあげる人
落ち着かなかった。
このころの俺は車椅子への移乗も大変で男の介助員二人がかりだった。
2週間のうちシャワーも何回か入った。車いすごと入れるシャワールームで
体を洗う時は立つのだけれど麻痺のない右手でポールのようなものに掴まる。
というかしがみついている。
体を支えるのがやっと。
もう何というか機械的、流れ作業、体が濡れていると服は着にくいし、引きつれる
服はまくれてもそのまま。悔しいのは自分が直せないことだった。
二週間の間でもリハビリはあった。言語ではあいうえおと顔や口を動かす練習をした。
主に作業療法的なリハビリが多かった。
食事はペースト食でそれを食べることも訓練の一つ。
食べようとスプーンで口に運んだつもりがほっぺや
目の辺りに行ってしまう。
看護師さんはめちゃめちゃ忙しそう！
入院の翌日妻にスマホとコードを持って来てもらった。
外との連絡は不自由ながら、メールでやりとりしていた。
ある時ナースコールの電線がはずれた。
これがないと忙しい看護師を呼ぶことはできない。
妻に連絡して兎に角早く病院に来てくれ、
電線が外れていることを看護師に伝えてくれ！
そんなことがありました！
麻痺が凄くてきちんと体位を保つことが出来なかった。
一旦バランスを崩すともう起き上がることができない。
斜めになったらそのまま
食事が運ばれていて（ペースト状）食べたいが体が斜めになったまま
目だけでぼーっと見るしかなかった。
看護師がきて、「あれ？お食事食べないんですか？お腹空いてないのですか・
かたづけますよ。」「あ。お願いします。片付けてください」
でも本当はこう言いたかった
「おなかすいてるよ！だけどこの体勢じゃたべられないんだよ」と。
妻は毎日来てくれて手作り酵素や海の精という酵素を飲ませたり、
左指の横に電気針で放電してくれた。痛みは全く感じなかった。
入院生活であると便利なもの
入院生活であると便利なものは「まごの手」背中がかゆくて手が届かない、かといってかゆいからとナースコールはできない。カーテンを閉めたいとき使えて便利だった。
リハビリ病院では妻にキャッチャーを買ってもらった。これはドン・キホーテやビバホームで300円前後で買えます。
スマホのリングも良かった。健常な右手だけでスマホのキーボードが打てた。
これ以降づっと必需品である。
これは家の近くのジョーシン電気で購入した。
2000円ほどだった。
生まれて初めての入院
睡眠剤なんて飲んだことがないのに眠れないのでもらって飲んだ
今までの生活が一変した。
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